金子、西が抜けた穴は誰が？

　ただ、金子弌大が北海道日本ハムへ、西勇輝も阪神へ移籍して抜けた穴はさすがに大きい。2人は長年ローテーションの軸となり、たとえ勝ち星が伸びなくても、長いイニングを投げられる計算できる投手だった。

　来年以降、ローテーションの軸にと期待される山岡泰輔は、「2人が投げてきたイニング数はかなり多いので、それを残りの選手でなんとか埋められるようにしたいし、特に自分がカバーできるように、多くイニング数を投げて、勝ち星も積み重ねていきたい」と気を引き締めた。

　山岡、アルバース、ブランドン・ディクソンを軸に、過去に10勝を挙げたことのある東明大貴や、左の松葉貴大、山崎福也が安定感を増してローテーションに食い込めるかどうか。

　また、今年中継ぎで活躍した山本が先発転向を希望している。1年目だった昨年は5試合に先発し、初勝利も挙げた。

　当時は5イニングが限界だったが、その後のオフに体の使い方を見直したり、肘に負担のかかっていたスライダーを封印してカットボールを覚えたことで、今年の開幕前は長いイニングを投げられると自信を持ってローテーション争いをしていたことからも、先発でも活躍が期待できる。

山崎はナックルカーブ習得。

　シーズン後のU-23ワールドカップで準優勝に貢献した20歳の山崎颯一郎や21歳の鈴木優といった投手たちも、山本に続くべく成長を遂げている。

　身長190cm体重82kgの山崎颯は、ポテンシャルの高さを見込まれ、今年は調子の良し悪しに関わらずファームで1年間ローテーションを守らせた。長身をいかした角度のあるストレートは敦賀気比高校時代から定評があり、課題は制球力と変化球の精度だったが、今年ディクソンからナックルカーブを教わったことで投球の幅が広がった。

「カーブが決まり出してから、バッターに絞られなくなって、抑えられるようになったし、試合を作れるようになった。まだ一軍で使えるほど完璧にはなっていないんですけど、だいぶ見えてきました」と手応えをのぞかせた。

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