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浦和・山田直輝、またケガと戦って。
梅崎司と田中達也の存在が「支え」。
posted2018/12/24 11:00
text by
佐藤亮太Ryota Sato
photograph by
J.LEAGUE
果たしてサッカーの神様は、山田直輝を見てくれているのだろうか――。
天皇杯準決勝前日の12月4日。来季のアジアチャンピオンズリーグ出場をつかむべく、浦和レッズのクラブハウスは大小80枚の横断幕で埋め尽くされ、350人のサポーターが詰めかけた。この賑わいのなか、彼は静かにその口を開いた。
「自分が思い描いたものとは全く違った結果になった。起きてしまったことはどうしようもない」
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この言葉が山田直輝の2018年シーズンを物語っている。
昨年12月、湘南ベルマーレでの3年間の期限付き移籍を経て、山田は意気揚々と浦和復帰を果たした。柏木陽介、長澤和輝らといった中盤のライバルとの競争に勝ち、日本代表復帰、ロシアW杯出場を目指していた。
しかし、現実は厳しかった。
湘南戦、森脇のボランチ起用。
シーズン前、ケガで出遅れ、開幕後もコンディションは上がらないまま。そしてクラブもユース時代の恩師である堀孝史監督が更迭。大槻毅暫定監督を経て、オズワルド・オリヴェイラ監督就任と刻々と状況は変わった。
そんな中で、山田に出番がやってきたのは第11節、昨季まで所属した湘南戦だった。
自身にとって今季リーグ初先発。そしてオリヴェイラ新監督にとって、初の埼スタでの采配。期待に応えるべく山田はピッチを駆けたが、相手GKと1対1となったシュートが阻まれるなど前半のみの出場に終わった。
0-1で敗戦した試合後、山田はこう唇を噛みしめた。
「僕の1本で結果を変えられた。悔しい」
山田がさらにショックを味わったのはヴァンフォーレ甲府とのルヴァンカップ・プレーオフ第1戦、0-2で迎えた61分のことだった。途中出場した森脇良太が起用されたのは未経験のボランチ。これに本職の山田は「まだ僕は監督に信用されてない」と落胆した。