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浦和・山田直輝、またケガと戦って。
梅崎司と田中達也の存在が「支え」。 

text by

佐藤亮太

佐藤亮太Ryota Sato

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photograph byJ.LEAGUE

posted2018/12/24 11:00

浦和・山田直輝、またケガと戦って。梅崎司と田中達也の存在が「支え」。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

浦和は天皇杯優勝で来季ACL出場権を獲得した。ケガの癒えた山田直輝にも、チャンスは巡ってくるはずだ。

梅崎司、田中達也と重なる。

 起きたことをすべて受け入れる――この言葉に、かつて浦和に所属した2人の選手の“生き方”が重なる。

 まずは湘南MF梅崎司である。梅崎は2度の膝前十字じん帯を損傷し、'10年には半月板を損傷した。その経験から梅崎はケガとの向き合い方を「Reborn=生まれ変わり」と表現するとともに、こんな風に話していたことがある。

「思い切り、トライできるチャンスの時間。自分は何ができて、何が足りないのか問いかけ、アイデアを膨らます時間。長い目で見ると復帰してからが難しい。でも、いまはこうなんだって受け入れながら、技術やフィジカルや感覚を積み上げていく時間」

 そして、もうひとりがアルビレックス新潟のFW田中達也だ。田中は'05年10月、試合中に右足首脱臼骨折。その後も離脱と復帰を繰り返した。

「焦るなと言われても焦ってしまうのが選手だけど、復帰できないケガはない。辛抱強くやれば絶対に復帰できる。でも、たとえ1カ月早く復帰しても全然、意味がない。その1カ月を身体作りに充てれば良い。大事なのは続けること。その証拠に、ここ数年、僕、ケガをほとんどしていないから(笑)」

2人は支えのような存在。

 そんな2人の共通項は何度も大ケガに遭いながら、30代になり、再び活躍している点である。31歳の梅崎は湘南加入1年目で主力としてルヴァンカップ優勝に導き、J1残留にも貢献した。一方、36歳の田中は今季序盤こそ出番が限られたものの、後半戦はほとんどの試合で先発。リーグ31試合に出場した。

「僕にとって、達也さんやウメさんは目標じゃなくて“支え”」

 このように表現する山田は、こう続ける。

「サッカーに真面目な2人で、その真面目さがあるからこそケガがあっても第一線でプレーできている。特に達也さんは足首を脱臼しているから、苦しい時間が長かったはず。以前、達也さんが『新潟に行って、やっと(右足首の)調子が良くなった』と話していた。あらためて、諦めるより続けることが大事だと感じた」

【次ページ】 物事をすべて受け入れる姿勢。

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