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蘇った新日本プロレスのエース。
棚橋弘至は2019年も輝けるか?
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/12/22 10:00
何度も挫折から這い上がってきた棚橋弘至。次の決戦1.4東京ドームでは、また新しい棚橋弘至を見せてくれるのか?
猪木、長州、藤波らの時代とは。
それでも、棚橋はトレーニングに励み、プロレスを広めるために、主演映画もテレビのドキュメンタリー番組も、雑誌の取材やラジオ出演も、これでもかというくらい時間を割いて精力的にこなしていった。
「プロレスを見たことがない人に、それをどうやって届けるか」ということを常々思っている――というのが彼の活動のモチベーションだ。
「気づいたことがあって……社会的な知名度が観客動員に比例する、と。
これは昔、金曜夜8時に『ワールドプロレスリング』の中継があって、多くの人々がお茶の間で家族そろって『ワールドプロレスリング』を見ていたことが大事なことで。
猪木さんを知っていて、長州さんを知っていて、藤波さんを知っていて……その知っている選手が近くの体育館に来るんだ、という流れがあった。それは今も変わらないんだろうなと思う。知っている人が近くに来るということを作り出す」
それならば、棚橋がやらないといけないことは、もっと自分が有名になることだと思った。
「だれか有名な方が、『プロレス、面白いよ!』って言ってくれないかなっていう他力本願的に思っていた時もあったんですけれど……だったら、オレが有名になればいいじゃん、ということで頑張ってきたんです」