球道雑記BACK NUMBER
小柄でも最速155kmの東妻勇輔。
ロッテのドラ2は幕張の防波堤。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/12/17 07:00
東妻は新入団会見で目標を「最多ホールド」と記した。
「70試合登板」を目指せ。
その前に、まずは来季から始まるプロ生活最初のシーズンをどう乗り切るかだが、当然、そのイメージはできている。新入団選手発表会で、担当の井辺康二スカウトから「70試合登板」のリクエストが飛んだ。
プロ1年目ということで、やはりシーズン中のスタミナが気になるところだが、それについて東妻はこう答えている。
「スタミナに関しては、今までやって来たことで間違いはないと思うんですね。同じトレーニングに少し強度を上げて行けば、間違いはないと思います」
日本体育大学では走り込みを多めにするメニューではなく、ウエイトなどのトレーニングを中心にピッチングに繋がる体力を付けた。
「(ランニングなど)走る体力は心肺機能を上げるだけだと思っています。野球に繋がるスタミナはやっぱり投げ込み量なので。ただ、その投げ込みが肩の消耗に繋がるのであれば、他のトレーニング方法で補えば良いだけだと思っています。そういうところで少し強度を上げて、プロで1年間投げられる体を作っていきたいです」
既存の選手と勝負できる存在。
今季の千葉ロッテは、先発陣が安定せずその分の負担がリリーフ陣にかかることが少なくなかった。終盤戦では本来、先発のはずの唐川侑己がリリーフに回るほど人手が足りない。そういう意味でも先発、リリーフのどちらもできる東妻の加入は大きいし、1年目から相応の期待がかかる。
千葉ロッテのチーフスカウトを務める永野吉成も、東妻の獲得理由についてこう話す。
「スピードはもちろんですけど、気持ちの部分ですよね。マウンドの立ち振る舞いと言いますか、そういう部分はウチに欠けているところかと思います」
怖いもの知らずの負けず嫌い。そうしたフレッシュさも東妻には期待するところだろう。さらに永野はもう1点、東妻の獲得の狙いについてこう明かした。
「既存の選手とガチンコで勝負できる存在かなって見ています。向こうも(東妻を)ライバル視してくれるというのもあるし、そこが僕たちの狙いでもあります」
現在、ストッパーを務める内竜也は来季で34歳を迎える。セットアッパーの大谷智久も同じく34歳、益田直也、田中靖洋、南昌輝といったブルペン陣も軒並み30代になる。改めて投手陣の整備が必要となって来るだろう。