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アジア杯シリア監督、シュタンゲ。
戦争に負けず生きる70歳の半生。
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph bySoccer Iraq
posted2018/12/11 07:30
ドイツ、ウクライナ、オーストラリア、オマーン、イラク、キプロス、ベラルーシ、シンガポールで指導後、シュタンゲはシリアで最後の課題に取り掛かった。
ドイツ協会もそのサッカー活動を支援。
シリアの場合、国際的な緊張状態は今も続いているとはいえ、社会は平穏で安定している。
しばらく前にシリア代表は、ドイツ協会とオーストリア協会の支援を受けザルツブルク近郊で3週間におよぶ合宿を行った。緑に囲まれた静かな環境の中での実り豊かな合宿となった。
「こんなことができるとはシリアの人々は誰も想像していなかった。だがわれわれはここまで来ることができた。そのことを誇りに思う」
シリアでの仕事が彼の自伝の最終章となる。
アジアカップ終了後、彼は今度こそ本当に引退を決意している。その数奇な運命を鑑みれば、後に記される自伝が大著になるのは間違いない。