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多くのオファーから、なぜ長崎を?
手倉森監督「ものすごい強さで勝つ」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKei Totsuka

posted2018/12/11 10:30

多くのオファーから、なぜ長崎を?手倉森監督「ものすごい強さで勝つ」<Number Web> photograph by Kei Totsuka

高田明社長(左)らと就任会見で握手する手倉森誠新監督(中央)。J2に戻るクラブを再び上昇気流に乗せられるか。

長崎を世界に知らしめる。

 ロシアW杯後には、様々なオファーが届いた。

 窮地に立たされていたあるJクラブからは、「いますぐ来てもらえませんか」と懇願された。'16年1月のリオ五輪アジア最終予選優勝の実績を買われ、タイU-21代表監督の候補にもあがった。水面下での打診も含め、複数の選択肢があった。

 そのなかで彼が選んだのが、V・ファーレン長崎である。

「自分のなかではただ監督をやればいい、というわけではない。東日本大震災を受けてベガルタは被災地を背負って戦うとなったときに、人は変わると感じた。スポーツの持っている力の大きさを目の当たりにして、そこに大きなやり甲斐を覚えました。

 長崎はそういったものを見つけられる地域です。僕は青森県出身ですが、長崎と言えば広島につながる。どちらも戦争で辛い歴史を背負ったけれど、原爆の話で先に出てくるのは広島で、スポーツにおいても広島にはサンフレッチェとカープがある。V・ファーレンを、長崎を、日本国内にもっと知らしめたい。アジアに、世界に知らしめなければいけない」

高田社長と地域との縁を大切に。

 手倉森は「縁」を大切にする。'18年のJ1で最下位に終わり、J2からの再スタートを切るV・ファーレンのために、東日本大震災を経験した自分ができることがある、との決意を胸に刻んだのだった。

「高田明社長と話をしていて、V・ファーレンは地域に根差していくんだ、サッカーで長崎を元気にしたいんだ、と聞きました。かつて苦しい出来事のあったこの地を幸せにしたい。長崎にはV・ファーレンがあるとこれまで以上に言われるように、県民の皆さんと力を合わせて取り組んでいきたい」

 12月7日に行なわれた記者会見では、1年でのJ1復帰を明言した。

「1年でJ1に帰ります。自分はJ2を制してJ1へ上がることも、J1での優勝争いも経験している。数年でJ1の優勝争いをするチームにしたい」

【次ページ】 J2をものすごい強さで勝ちたい。

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