ベントだけ物凄い上下動。

　攻撃時は4トップ！　この可変システムはベントのポジションだけを変えるものなので、攻守の切り替えが比較的スムーズに思えました。

　ただ、ベントはひとりで激しく上下動を繰り返さねばならず、チームメイトの倍くらい給料をもらわないと割が合わないようにも思えましたけども……。

　ボルシアMGのスタイルが斬新だったので、すぐにヘキンク監督について調べました。現役時代はボルシアMGに在籍して6試合だけ出場した選手だったとのことですが、実は、プロになる前に3年間警官を務めていたこともあるそうです。

　確かに、お顔を拝見すると威厳のある雰囲気。少し野暮ったいチェックのシャツを着こなす姿は、実直な地元の警察署長のように見えます。また、ヘキンク監督はフェアプレーに関しても一家言ある方で、こんな私見を述べています。

「今のサッカーはフェアプレーが大切にされていない印象を受けている。利己主義に走る場面があまりに多く見られる。選手には、あまり主審に文句を言ってもらいたくはないね。判定するのは審判の仕事なのだから。

　また、選手のダイブなどで試合を有利にしたいとは思わないし、ケガをしたふりをして時間稼ぎもしてほしくない。監督は選手に対して常に模範的であるべきだし、選手たちに実践を促すべきだ」

警告数は12試合で最小の12枚。

　やはり、警察署長みたいです。ちなみに今季ブンデスリーガ12試合を消化した時点でチーム別の警告数トップはヴォルフスブルクの26枚。ボルシアMGは最少の12枚です。ヘキンク監督は自らの理念をしっかり選手たちへ浸透させていて、それが結果にも表れていることが分かります。

　さて、初めて彼らのホーム『ボルシア・パルク』を訪れました。

　ボルシアMGはデュッセルドルフから普通列車で25分くらいの距離にある小さな街で、典型的なドイツの田舎街といった風情です。

　街の中心部からシャトルバスで10分くらいの距離に『ボルシア・パルク』という公園があって、その中に彼らのホームスタジアムがデンと構えています。スタジアムの外装はチームカラーのイルミネーションで飾られて、荘厳な佇まい。勝手な先入観ですが、緑をチームカラーにするチームは穏やかで慎ましい感じがして、好きです。

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