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自由を謳歌しているベンゲルが、
もし今のアーセナルを語ったら。
posted2018/12/04 10:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Uniphoto Press
22年にも及ぶプレッシャーから解放され、いまアーセン・ベンゲルは自由を謳歌している。レアル・マドリーやパリSG、バイエルンの新監督候補と取り沙汰されたものの、読書をしたり、旅行を楽しんだり、かなりリラックスしているようだ。しかし、アーセナルが気にならないはずがない。
ウナイ・エメリ新体制の古巣をどのように捉えているのか。“ベンゲルの目線”で考えてみた。
チームは様変わりしつつあるが、ベースは昨シーズンまでの戦力で築かれている。
サイドバックは右がエクトル・ベジェリン、左はこのところセアド・コラシナツだが、ハムストリングの痛みが治まればナチョ・モンレアルがポジションを取り戻す。また、エインズリー・メイトランド・ナイルズが、モンレアルの座を脅かすまでに成長したことも喜ばしい。
ドイツ人GKレノの高い安定感。
中央にはアキレス腱を痛めていたローラン・コシェルニーがまもなく復帰し、彼の相棒はシュコドゥラン・ムスタフィなのか、あるいは新戦力のソクラティス・パパスタソプーロスなのか。コンスタンティノス・マブロパノスは、そけい部の回復が遅れているようだ。いずれにせよ、コシェルニーが戻ってくればDFラインは安定する。
GKはベルント・レノ。とても安定している。やはり、ドイツ人のGKはレベルが高い。
2000年代初期にはイェンス・レーマンという優れたタレントがいた。しかし、ペトル・チェフを忘れてはならない。そけい部の負傷によりレノにポジションを明け渡したが、数多くの修羅場を潜り抜けてきたチェフの経験は貴重な財産だ。
チームファーストを貫くメンタルもすばらしく、二番手に甘んじている現在も、ロッカールームをまとめているに違いない。