ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
ボルシアMGの斬新な可変式サッカー。
ブンデス2位の攻撃力と伝統の重み。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUNIPHOTO PRESS
posted2018/12/02 08:00
ドイツきっての名門、ボルシアMG。ドルトムント追撃の一番手となれるか。
バイエルンに快勝、勢いは本物。
今季ここまで、ボルシアMGは12試合中無得点ゲームがなし。1得点が2試合、2得点が4試合、3得点が4試合、4得点が2試合。計30得点はドルトムントの35得点に次いでリーガ2位です。
またDFBポカールでは1回戦で5部ハッセルトに11得点している。さらに、第7節でバイエルンに3-0で勝利した実力は、どうやら本物の様子です。
ハノーファー戦は、4-1でホームチームが圧勝。街の居酒屋ではサポーターが高らかに祝杯を上げていました。
でも、彼らは思慮深く落ち着いていて、僕が座れる場所を探していると、年配のおじいさんが「ここに座りなよ」とスペースをわざわざ空けてくれました。居酒屋の壁にはクラブのグッズが所せましと飾られていて、その中のひとつのマフラーに書いてある文字が目に入りました。
『Tradition kann man nicht kaufen』=「伝統はお金で買えない」
この言葉は、この街の人々が備える矜持であるとともに、現在ヘキンク監督が標榜し、選手たちがピッチ上で実践する誇り高きスタイルを表しているように思えました。