ラグビーPRESSBACK NUMBER
ラグビー界のパイオニア村田亙、
母校専修大をフランス式で強化中。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2018/11/26 10:30
かつての名選手、村田亙がノウハウを授けた専修大の今後に注目だ。
福岡堅樹を中学時代に発掘。
'14年、村田監督は就任3年目で13年ぶりとなる1部復帰を果たした。'15年にふたたび2部へ落ちたが、昨年は2部を全勝優勝で1位通過し、入替戦にも勝利。無傷で1部昇格を決めたピッチに、山極の姿もあった。
スカウトには矜恃がある。7人制の代表監督時代に誘った選手たちは、'16年リオデジャネイロ五輪で羽ばたき、4位に入った。
「当時は学生中心に集めていました。リオ五輪のメンバー14人(バックアップ2名含む)のうちの大半は、当時誘った選手。嬉しかったですね」
リオ五輪メンバーで、15人制代表としても活躍するウイング・福岡堅樹については「彼が中学3年のときにセブンズのアカデミーに呼びました。当時から噂になってはいましたが、まっすぐ走らせたら一番速かったので、『将来化けるな』と」
いま福岡は世界で注目されるウイングに大化けしている。
東福岡のレギュラークラスも。
現在も将来性を見込んで声をかける。今年は村田監督の母校・東福岡から、レギュラークラスが2名入部した。そのうちの一人であるウイングの堀田南雄斗は、勧誘時点でレギュラーではなかった。
「堀田は当時Bチームだったんですけど、その後Aチームに上がって活躍してくれました」
東福岡のレギュラークラスは、大学選手権の常連校クラスへ進むことが多い。しかし堀田は決めていた。
「高校3年の時はトップレベルではありませんでした。そんなときに村田監督に誘ってもらったので、専大一本で、と決めました。チームワークや仲の良さが伝わりました」
ただ近年の成長はスカウトの成果ばかりではないだろう。就任7年目を迎え、村田監督が目指すフレンチ・スタイルのエッセンスが浸透しつつある。
「うちはラインアウトモールなどにこだわらず、しっかりとボールを回す。フォワード全員にパススキルがなければできないラグビーです。ハマれば見ていて面白い攻撃になります」