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男子よりも女子サッカーに期待!?
メキシコで盛況の女子プロリーグ。
text by
トマス・グバンThomas Goubin
photograph byL'Equipe
posted2018/11/20 16:30
男子の試合に負けず劣らず観客が熱狂的なのが、メキシコの女子サッカーの現場である。女子W杯でも期待がかかる。
女子選手の自立が促される。
2015年、当時メキシコ最優秀選手であったシャルリン・コラルは、ルイビル大学でスポーツ行政学の学位を取ったのを機に現役引退を考えた。
今でもレバンテでプレーを続ける彼女は、リーガ屈指のビッグネームであると同時に'17~'18シーズンの得点王にも輝いたのだった。フランスを含む複数のヨーロッパのクラブからもオファーを受けている。
「私は兄(プロ選手のゲオルゲ・コラル)と一緒にプレーしながら育ちました。でも12歳のときに、もう男の子と一緒にトレーニングはできないと言われたのです。私の運が良かったのは、そのころからスカウトに注目されていたので、13歳でメキシコ代表入りできたことです」
リーガMXでコラルは、最若年からプロの特権を享受することができた。
リーグの規則ではU-17代表で年間1000分以上プレーすることが義務づけられ、24歳以上の選手でスタメン出場できるのは2人までであった。
その目的は、ワールドカップ本大会でまだ1勝もあげることができていない“エル・トリ(「3色」の意)”の愛称で知られるメキシコ代表を、23人のトッププロ選手でできるだけ早く構成することであった。
「アマチュアリーグにしろ大学リーグにしろ6カ月で終わってしまうから、これまでは代表をそれなりのレベルに仕上げるには長い準備の時間が必要だった」とメダウィは指摘する。
W杯では男子よりも女性に期待!
女子代表への期待は次第に高まりつつあり、それはメディアも同様である。
「男子がなかなかワールドカップのベスト8に進めないから、そのぶん女子が期待されるようになったのでしょう」とコラルは言う。
「ティグレス(男子チーム)の監督の言葉に勇気づけられました」とフェラルも語る。
「彼が言うには、女子はピッチ上でわざと倒れ込んでいる選手に『早く立ちな。男子の真似はするな!』と声をかける。『女のようにめそめそするな!』という慣用句とは正反対であると」
少しずつではあるが確実にメンタリティが変わりつつある。メキシコの女子サッカーは着実に進化している。