フランス・フットボール通信BACK NUMBER
モドリッチが考える理想のサッカー。
「10番が消滅することはあり得ない」
text by
パスカル・フェレ&フレデリック・エルメルPascal Ferre et Frederic Hermel
photograph byBernard Papon
posted2018/11/13 11:00
モドリッチが共にプレーしたかった選手のひとりは、監督でもあったジダンだったという。
「10番が消滅することはあり得ない」
――個人主義者でありながら周囲のために尽くすのは難しくはないのでしょうか?
「僕自身がいい例だろう。今日のトップレベルのサッカーにおいても他人のために尽くす選手はたくさんいるし、将来は彼らが今よりも高く評価されるだろう。
残念なことに今は数字ばかりが評価されている。ゴールの数のみが重んじられて、それ以外には関心が向けられない。チームのためにコレクティブにプレーすること、周囲のために尽くすことこそがより重要であるのに」
――10番という役割は終わらないのですね。
「(微笑みながら)10番が消滅することはあり得ない。この世界で最も素晴らしい番号であるのだから!」
――可能ならば誰と一緒にプレーがしたいですか?
「まずクロアチア代表で僕の憧れでもあったズボニミール・ボバンだ。
それからレアル・マドリーで僕の監督だったジネディーヌ・ジダン。
彼とともに達成したチャンピオンズリーグ3連覇は、レアルの歴史の中でも最も輝かしい業績だ。彼はときどき僕らに混じって練習でプレーしたけど、そのエレガントな動きは目を見張らんばかりだった。彼とチームメイトになれたらと心から思ったよ。
それから3人目がロナウド・ナザリオ(フェノメノ)だ」
――メッシはどうですか?
「(笑いながら)彼は敵だからね。一緒にプレーすることはあり得ない。サッカー史上最高の選手のひとりであるのは間違いないけど、同じユニフォームを着る機会はないね」
「彼とはいい関係だと断言できる」
――あなたは謙虚で控え目ですが、メディアでの振る舞いが派手なクリスティアーノ・ロナウドをどう評価しますか?
「たしかに僕は大人しいから、派手な言動はあまり快いものではない。ただ、この話をこれ以上する気はない。僕を取り巻く世界はそういうものだし、クリスティアーノ・ロナウドは別次元の存在だ。だからメディア的に彼が突出して注目されるのも当然と言える。僕は自分がシンプルでありたいと思っている」
――彼との関係はどうですか?
「悪くないよ。ここマドリードで6年をともに過ごした。親しくもなったしお互いに尊敬もしている。彼が去った今もSNSなどでコンタクトは取り続けている。仲の悪さを暴き出そうとした人々もいたけど、今も彼とはいい関係にあると断言できる」