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川崎優勝から1年。岡山一成が
ついに見つけた夢は選手兼監督。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byKazunari Okayama

posted2018/11/10 07:00

川崎優勝から1年。岡山一成がついに見つけた夢は選手兼監督。<Number Web> photograph by Kazunari Okayama

40歳ながら今もなお精力的な岡山一成(右)。DAZNでの解説でも熱い!

ヘディングは今も自信あり。

「マンツーマンで教えたことのある坂本が得点王になったことはうれしかったですよ。ヘディングって、ただ飛べばいいってわけじゃないですから。ポジションの取り方、タイミング、相手との駆け引きがあって、いろんなことにこだわってやってきた。

 僕自身、去年、チームが負けているときにフォワードで出て引き分けにした試合は3つぐらいあるし、勝っているときにセンターバックで出て相手に点を与えなかった。経験に基づいたものが俺にはあるんです。ヘディングだけで言うなら、去年誰にも負けなかった」

 ヘディングではまだ負けない。理論のみならず、自分でも体現できる。その自負が、現役引退の決断を受けつけない。4月に40歳になろうが、指導者の勉強に励もうが、そこは変わることがない。

 確かに体を動かすこと機会が減ってしまっているが、2009年に浦項スティーラーズでプレーしたときも半年間のブランクがあった。'11年のコンサドーレ札幌時代も半年間、'13年に奈良クラブでプレーする際も8カ月間あった。「気持ちが追いつけば、体も追いつく」が彼の持論にある。

Jを見ていて変わる目線。

 Jリーグを見ていても、残る10分間で「目線が変わる」という。監督目線から選手目線に、自然とスイッチするそうだ。

「それまでは選手がどうとか戦術がどうとか、試合全体を見ようとするんですけど、ラスト10分になったら、俺はどういうプレーをしようかってなるんです。勝っているとき、負けているとき、それぞれの場合によって。それまでは自分が選手って思って見ていないのに、不思議ですよね」

 なるほど。

 残り10分で、「代打、俺」ならぬ「選手交代、俺」をやるイメージ。ヘディングに絶対的な自信を持つ自分の背中を、自分で押す。

【次ページ】 もし現役引退する時は。

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