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「浦和レッズで戦っているので」
橋岡大樹の強心臓はU-19でも別格。
posted2018/10/31 08:00
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph by
Masahiro Ura
U-19日本代表が10月28日のU-19アジア選手権準々決勝、開催国のU-19インドネシア代表に2-0の勝利を収めて、来年ポーランドで開催されるU-20W杯の出場権を獲得した。
首都ジャカルタにある同国最大のスタジアムのゲロラ・ブン・カルノは6万人を超す大観衆で埋め尽くされ、熱烈な声援で母国の選手を後押しする完全アウェーの雰囲気に包まれた。さらに試合途中からは眼前を幾重ものカーテンで覆うような凄まじい豪雨に見舞われた。
ピッチに立った者にしかわからない大きな重圧とストレスを受けながら、日本の若き選手たちは動じることなく勝ち切った。試合後、大観衆からは敗れたインドネシアにも、勝った日本にも、同様に惜しみない拍手が送られていたのが印象的だった。
激闘翌日に「イエーイ!」。
その激闘を終えた翌日、ホテルでの朝食を終えたあとのエレベーターに、U-19日本代表の影山雅永監督と橋岡大樹、荻原拓也、久保建英、そしてハウスキーパーの若いインドネシア人の男性が一緒に乗り込んだ。エレベーターが動き出すと、橋岡がおもむろにハウスキーパーに英語でたわいもないことを話しかける。
すると久保と荻原も絡んで、そのわずかな時間のうちに、一気にその場が盛り上がった。選手3人が先にフロアへ降りるときには、「イエーイ!」とハイタッチを交わしてハウスキーパーと別れたそうだ。
最後に残ったのは影山監督とハウスキーパーの2人に。嵐がすぎて静まり返ったエレベーター内で、影山監督は申し訳なさそうに「変わったやつらでしょ」と言った。するとハウスキーパーは笑って言った。
「とても幸せそうで、いいですね!」
今大会、U-19日本代表の最終ラインを支えたディフェンスリーダーが、浦和レッズの橋岡大樹だった。
グループステージB組の1節・北朝鮮戦(〇5-2)、2節・タイ戦(〇3-1)と4-4-2のCBでフル出場し、2連勝でグループ1位突破を確定させた。そして3節のイラク戦(〇5-0)で休養を挟み、満を持して、この準々決勝に登場した。