サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「浦和レッズで戦っているので」
橋岡大樹の強心臓はU-19でも別格。
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byMasahiro Ura
posted2018/10/31 08:00
橋岡大樹は浦和で見せている実力を、センターバックとしてU-19日本代表でも発揮した。
悪天候も計算に入れた好守。
出場した3試合でいずれもCBを組むコンビが変わるなか、この日は、神戸U-18の小林友希がリベロ的に余る形をとる。パワーとスピードを兼ね備えた橋岡がインドネシアのFWに自由を与えまいと、時にはゴール前で体を張り、時には高い位置までプレッシャーを掛ける。
そこでかわされたら一転して日本の大ピンチにもなりかねない状況だが、日本の背番号4は躊躇うことなく勇気を持って襲い掛かっていった。
後半の雨脚が一番強い時間帯だった。橋岡がハーフライン付近まで駆け上がり、スライディングタックルでカウンターの起点を潰したシーンがあった。橋岡は拳を固めて小さくガッツポーズ。ビッグチャンス到来だと一気に盛り上がったインドネシアサポーターを、すぐさま黙らせた(そんな橋岡に対する拍手も少し起きた)。
橋岡を中心とした守備陣の、悪天候をも計算に入れた判断、そして粘りと根気あるディフェンスが、サポーターを含め相手チームから少しずつ戦意を削ぐことにも成功した。
「浦和で試合しているので」
皆がこれまで経験したことのないシチュエーションにあったことは言うまでもない。それでも橋岡は用意周到に自信を持って臨めたことを強調し、スタッフに感謝した。
「インドネシアのサイドにスピードのある選手がいること、FWが裏のスペースに抜けようとすること、そういったことは試合前にスタッフから聞いて理解していたので、戸惑うことなくプレーできました。浦和レッズで試合をしているので、大観衆の中でのプレーも自分が誰よりも慣れているつもりでしたから」
グループステージで出場した2試合で、いずれも失点を喫していた。それだけに、この大一番で無失点に抑えたあたり、大会中に進歩していることを、しっかり「結果」で示したとも言えた。
「全員で守って全員で攻撃をして、自分のできることをしっかりできたと思います。今日はみんなに感謝して、また、次(準決勝)にいい試合をしたいです」
橋岡はU-20W杯の出場権を獲得できた喜びを噛み締めつつ、一方で、むしろ、ここからさらに強い相手と試合できることを楽しみにしているようでもあった。