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吉田輝星、最高の高校ラストゲーム。
「金足だからしょうがないでしょ」 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2018/10/12 11:30

吉田輝星、最高の高校ラストゲーム。「金足だからしょうがないでしょ」<Number Web> photograph by Kyodo News

プロ志望届を提出したことで、ドラフトの目玉となった吉田輝星。人気、実力ともに1位クラスなのは間違いない。

敵将まで野球小僧の顔になった。

 高橋監督は、「すっごいですよね。守備もめちゃくちゃうまいし、走ったら速いし、1人でガーッとかき回して、勝っていく。本当に“野球小僧”。一緒に野球やりたいですねー。絶対面白いと思う。やっぱり魅了されますよね」

 そう語る敵将まで、野球小僧の顔になっていた。

 金足農が6-0で迎えた7回裏は、先頭の吉田がセンター前ヒットで出塁すると、4番・打川和輝が安打で続き、無死一、二塁。捕手が一塁走者を刺そうと送球する間に、吉田はすかさず三盗を成功させた。そして5番・大友朝陽のスクイズで、吉田が7点目のホームを踏み、その瞬間、金足農のコールド勝ちが決まった。

「自分たちらしい野球で、最後にしっかりスクイズで点を取れたので、楽しかったです。まだ勝利の余韻に浸っています」と、吉田は試合後、穏やかな笑顔を浮かべた。

「終わり方、カッコよすぎだろ」

 高校野球について問われると、少し名残惜しそうにこう言った。

「トータルすれば辛いことのほうが圧倒的に多かったんですけど、甲子園で初めて野球の楽しさを知ったというか。それまでは、勝たなきゃいけないとか、このきつい練習に耐えなきゃいけないという思いばかりだったんですが、国体や甲子園では、野球が本当に、心から楽しかったです」

 吉田がホームを踏んでコールド勝ちを決め、両チームが整列した後、U18日本代表で共に戦った常葉大菊川の奈良間大己が吉田に言った。

「終わり方、カッコよすぎだろ」

 すると吉田は、トレードマークの白い歯をのぞかせて笑った。

「オレたち金足だからしょうがないでしょ」

 金足らしく、吉田らしく、高校野球を締めくくり、野球小僧は次なるステージへと挑んでいく。

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