サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
吉田・長友・酒井招集の目的は何か。
森保監督の目は「前」を見ている。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2018/10/07 17:00
コスタリカ戦では見事な船出を飾った森保一監督率いる新生・日本。10月の連戦はロシアW杯組との融合がテーマとなるだろう。
都倉、川又のエアバトラーは……。
たとえば、コンサドーレ札幌の都倉賢、ジュビロ磐田の川又堅碁といったストロングヘッダーは、追いかける時間帯でのパワープレーに有効なタレントだ。
日本サッカーの強みは、空中戦よりも地上戦にある。それは間違いない。だが、空中戦にふさわしい選手が見当たらないわけでなく、エアバトルで優位に立てば戦略はさらに広がる。
'15年1月のアジアカップで采配をふるったハビエル・アギーレは、豊田陽平をジョーカーとして手元に置いた。柴崎や武藤嘉紀を代表に抜擢したメキシコ人指揮官は、オプションとしての高さも用意した。アジアカップ前のテストマッチから、豊田をテストしていたのだ。「日本は世界の中堅国」という立場から、アギーレはより多くの武器を揃えたのである。
森保監督が言うところの「柔軟性」には、これまで武器にしていなかったものを取り込むことも含まれているはずである。だとすれば、高さに着目する視点があっていいはずだ。
9月のコスタリカ戦は、日本人らしさを存分に生かして快勝した。
来たるパナマ戦とウルグアイ戦では、日本人の良さが発揮できない場面での対応力に注目したい。テクニックに優れる選手たちが、技術に寄りかからないサッカーができるのか、に。高さがあれば解決できるピンチを、違った対応でしのげるのかどうか、に。