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プレミアリーグで奮闘する3人の侍。
武藤嘉紀、岡崎慎司、吉田麻也の今。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2018/09/22 11:30
ラファエル・ベニテス監督に重用されている武藤嘉紀。ニューカッスルの人々に認めてもらうためには、やはり結果が欲しい。
短い時間でもインパクトを残せば。
ただ、ベニテス監督が「ハードワークで必ずやチームに貢献してくれる」と期待を寄せ、数カ月のモニタリングの末に獲得したのだから、このまま武藤を干すような愚は犯さないだろう。
第5節終了時点でプレミアリーグでは先発していないが、シティ戦を除く4試合に途中出場している。いきなりではなく、プレミアのリズムにフィットする時間を与えながら、というベニテス監督の配慮と考えられる。ならば武藤は焦れずチャンスを生かすことだ。
たとえ短い時間でもインパクトを残せば、先発に名を連ねる日は、いつか必ずやって来る。
岡崎とピュエル監督の戦術の相性。
構想内と考えられる武藤とは対照的に、レスターの岡崎慎司はクロード・ピュエル監督のプランに入っていない。
前線で見せる執拗なチェイシングをはじめとする献身性は、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督、リバプールのユルゲン・クロップ監督も高く評価し、警戒もしている。
しかし、ボールコントロールは若干課題が残る。ここがキーポイントである。
プレッシングスタイルに最適な岡崎も、ピュエル監督が志向するポゼッションには向いていない。前線ではジェイミー・バーディー、ケレチ・イヘアナチョに次ぐ3番手の扱いで、トップ下となるとジェームズ・マディソンのようにはボールをさばけない。
エンゴロ・カンテとダニー・ドリンクウォーターはチェルシーに、リヤド・マフレズはシティに去った。
左SBのクリスティアン・フクスはベン・チルウェルに取って代わられ、CBのウェズ・モーガンのポジションも危うくなってきた。いま、レスターは様変わりしようとしている。3シーズン前の優勝を知る者は徐々に少なくなってきた。岡崎にも決断のときが近づいているのではないだろうか。
3番手あたりで燻っているなら、移籍市場が再開する来年1月に新天地を求めるべきだ。レスターに、プレミアリーグにこだわる必要はない。そのハードアクションは、まだまだトップランクで通用する。