サウサンプトンのCB事情は……。

　サウサンプトンのマーク・ヒューズ監督は、ストッパータイプがお気に入りだ。シティを率いていた当時はリチャード・ダンやマイカ・リチャーズを、ストーク・シティ時代はクルト・ズマ、ライアン・ショークロスなどなど、体力にモノをいわせるセンターバックを重用してきた。いい悪いではなく、監督の考え方なのだから致し方ない。

　マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督が攻撃的なフットボールを演じたら、それはそれで気持ちが悪い。

　現時点でサウサンプトンのCBは、ボルシアMGから移籍のヤニク・ベステルゴーアと、2シーズン目のウェズレイ・フートが一番手。しかし、正確なフィードが特長と言われたベステルゴーアは触れ込みほどではなく、フートは相変わらず単調だ。プレミアリーグの経験も、ともに乏しすぎる。

「マヤをスタメンに」の声は多い。

　なぜ、吉田麻也を起用しないのだろうか。

　疑問視された対人プレーの脆さを克服し、持ち前のフィードで攻撃の起点になる。しかも７シーズン目だ。このリーグの厳しさ、難しさを嫌というほど体験してきた。サポーターにも支持されて、開幕からベンチが続く現状に「マヤをスタメンに」との声も多くなりつつあるという。

　できるなら、GKとCBは固定したい。プレミアリーグに集中し、早めに残留を決めたいサウサンプトンのようなチームにとって、ローテーションは成功の絶対条件ではない。

　まして今シーズンは、ベステルゴーアとフートでスタートした。加えて、開幕5試合でクリーンシートが2つもある。両選手とも、まだ大きなミスは犯していない。彼ら2人にこだわるヒューズ監督の考え方も理解はできる。

【次ページ】　パスも出せるDFリーダー起用を。