現状ではまだ足りない部分もある。

「西川からはボールを持ったら『何を言われても俺はやるぞ！』という気持ちが伝わってくる。ここにきて凄く積極的に仕掛けてくれるようになった。CB半田陸（モンテディオ山形ユース）は東北の子で大人しいけど、内に秘めたものは大きい。

　FW青木友佑（FC東京U-18）も、MF近藤蔵波（セレッソ大阪U-18）も成岡輝瑠（清水エスパルスユース）も山内翔（ヴィッセル神戸U-18）も落ち着いてやっているし、DF角昂志郎（FC東京U-18）も性格的には負けん気が強くて、要所要所で良いプレーをしてくれる。

　現状ではまだ足りない部分も多いけど、彼らは原石だから。これからどう磨くか。ダイアモンドだって磨かなかったらただの石。どれだけ自分達で光らせられるか。そういうことばかり言っているので、そこの意識改革はとことんやろうとしています」（森山監督）

ダイヤの原石だけでは成長しない。

　みんなダイヤの原石達だとしても、重要なのは内に秘めたものを秘めたままで終わらせずに、「それを出しても良いんだ」と選手を導くこと。森山の一番大事な仕事も、そこにある。

「1人ひとり必ず（才能を）持っていますから。それを押しつけとかじゃなく、自分から意思・意欲としていかに解き放たせられるか。その動機づけをすることが大事。だからこそ、目標を本気で追いかけたいと思える状態にしていかないといけない。その領域にたどり着くまでは甘くないよということもきちんと伝える。

　時には『いや、無理だって、それくらいじゃ絶対に無理』ということも良いながら、そこで『なにくそ』と思える奴はやるし、思えない奴はそこまでですから」

　森山監督率いるU-16日本代表にとって、「本気で追いかけたい目標」はU-17W杯で過去最高の結果（ベスト4以上）を残すこと。

　そのためには、まず9月20日に開幕するAFC U-16選手権を突破する必要がある。

　U-17W杯に出場するためには、この大会でベスト4に入らないといけないのだ。

　まずは4チームずつ4つのリーグ戦で上位2チームに入ること。その後、W杯への切符を懸けて、トーナメント初戦となる準々決勝を戦い、勝てば晴れてアジア突破となるのだ。

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