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谷口彰悟と車屋紳太郎の“熊本兄弟”。
川崎のCB物語は日本代表へと続く。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byGetty Images
posted2018/09/05 11:50
川崎フロンターレには谷口と車屋がいる。今以上に攻撃的だった時期を後方で支え続けた自負もあるはずだ。
車屋は代表入り、谷口は入らず。
車屋紳太郎は、森保ジャパンとして始動する日本代表の一員として選出されている。代表入りにも淡々と感想を口にする姿はいつも通りだが、ロシアW杯では直前で落選しただけに、コメントの端々には熱が込もる。
「前回は選ばれなかったので、そのときの悔しい思いをしっかり返したい。これが4年後に向けた一発目。わからないことが多いですけど、楽しみにはしています」(車屋紳太郎)
センターバックとウィングバックをできる車屋が、代表ではどこのポジションで勝負するのか。あるいは併用するのか。4年後のカタールに向けた彼の中での、ひとつのテーマになりそうだ。
一方で、谷口彰悟は代表に選出されていない。
川崎からは車屋の他に、小林悠、大島僚太(怪我で辞退)、守田英正(追加招集)と最多となる4人が選出されたが、そこに谷口の名前はなかった。
リーグ戦では今季全試合フル出場。リーグ最少失点守備陣の要として選ばれても、なんら不思議はない。ただ本人は「正直、ここ最近のパフォーマンスは納得していないので。自分自身も(代表は)ないだろうなと」と至って冷静だった。思うところはあるだろうが、それを周りに悟らせないのが谷口なりの美学なのかもしれない。
憲剛「入れる資質はある。呼ばれない理由もある」
そこで中村憲剛に聞いてみようと思った。「最近の谷口彰悟に求めたいものは何か」と。
少し考えた中村が話してくれたのは、「代表に関しては、性格的にあまり言わないタイプだけど、そこはもっと我を出してもいいんじゃないかな」という内面的な部分だった。言葉を続ける。
「段階を踏んで良い選手になって来ているのは間違いない。DFリーダーとして話せるし、つなげるし、強いし、高いし、速い……今回の代表メンバーを見ても、入れる資質はあると思うし、なんで(代表に)入らないのかなと思う。
でも呼ばれないというのは理由もある。そこは本人なりに分析もしているのだと思うけど。自分は入ってほしいと思っている。だから、自分が入るべきだろと思いながらプレーしてほしいね」