「自分を入れろ！」という気分でプレーを。

　長らく日本代表にいた中村は、あの場で受ける刺激や日の丸を背負ってプレーし続けることが、選手としての成長につながることをよくわかっている。そしてチームに戻ったときに、その経験が大きなものとして還元されることも。だからこそ、谷口には代表への意欲を出してほしいと熱望するのである。

「チームのことを考えているし、そういう発言もしている。そこで代表に入って、もうひとつ外で日本を背負ってやる。そうしたら責任感を持って帰って来れる。そうやって突き抜けて行ってほしい。

　年齢的にも、リーダーとして呼ばれることになるから、ハリルホジッチ監督のときに呼ばれるのとは違うと思う。だから『自分を（代表に）入れろ！』と思いながらプレーしてほしいね。そこは、数少ないショウゴに対する要求かな」

森保監督の目に2人はどう映るのか。

　9月5日、川崎フロンターレはルヴァンカップで鹿島アントラーズ戦を迎える。

　レギュラーのダブルボランチが不在となったことで、試合に向けた紅白戦では谷口のボランチ起用も試された。あらためて代表に対する意欲を尋ねると、「気持ちは常に持っています。また違ったポジションで出て、こういうこともできるぞというのも見せたいですね」と力を込めた。

　谷口彰悟は、現在27歳。4年後のカタール大会は、選手としてちょうど脂が乗っている時期に迎える。車屋紳太郎とともにチャンピオンチームの守備陣を支えるディフェンスリーダーは、森保一監督の目に、興味深い存在として映っていくだろうか。

　現代サッカーを生き抜く熊本兄弟のセンターバック物語は、まだまだ続いていきそうだ。