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青山敏弘って「チルドレン」なの?
森保監督との年齢差的にはむしろ……。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/08/31 11:40
青山敏弘は森保一監督がサンフレッチェ広島時代に不動の主力として起用した。そこで培ったノウハウを代表に還元する時だ。
肩肘張ってきた青山を救う一言。
2015年に青山選手がJリーグMVPに輝いた時、森保監督について尋ねたことがあります。常にガムシャラだった彼に、歯止めを掛けたのが森保監督だったそうです。
監督就任1年目の2012年に、「これ以上、頑張ろうとかみんなの思いを背負ってガチガチにプレーしなくていいから」と言葉をもらった、と。肩肘張ってきた青山選手を救う一言にもなったのです。
森保監督は彼の言動を観察したうえで言葉を送っていました。
「彼の良さはすべてにおいて真摯に向き合って、常に100%でベストを尽くしていくことです。これまでは一番の理想に近づくためにどうしたらいいかっていうアプローチの仕方で、つぶれそうになるまでやっていた感じがありました。
それが自分の状態と向き合いながら、そのなかでベストの選択ができるようになってきました。いろんなハードルを乗り切っていけたのかなとは感じました」
チルドレンと言うよりも弟分。
もっと肩の力を抜いてみたら、というアドバイスだけで青山選手の成長を呼び込んだのです。信頼を置く人の言葉だから、心に重く響いたのでしょうね。
森保監督と青山選手の関係を考えると「チルドレン」というよりも「ヤンガーブラザー(弟分)」と言ったほうが、しっくりくるかもしれません。
森保サンフレッチェの特徴は、タフで粘り強い、しぶとく泥臭いチームだったことです。森保監督の意を受けた我慢強いチーム、フェアプレーの精神を大事にするチームの象徴こそが青山選手であったように感じます。