マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
藤原恭大と根尾昂のライバル性。
「自分が打つと、藤原は燃える」
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/08/26 11:30
「他校なら4番」クラスの選手が揃う大阪桐蔭でも、藤原恭大と根尾昂の2人の存在感は図抜けていた。
根尾の打球はバックスクリーンへ伸びた。
そんなこと考えていたその瞬間、やはりチェンジアップ系にわずかにタイミングを外されながら、低く沈み込んだタテの変化を、藤原恭大のスイングは見事に持ち上げて、今度はライトポールの左側に放り込んで見せたから驚いた。
そんな“回想”をたどっているうちに、5番・根尾昂が打席に立っていた。
さあ、藤原はなんとも芸術的なバッティングを見せてくれたぞ。キミはいったいどうするんだ。
今度は、何を見せてくれるんだ。藤原が右手一本なら、キミは“左手一本”のレフト前でも見せてくれるというのか。
こちらの興奮が、やや錯乱の域に入りかけたあたりで、根尾昂のバットが一閃。
打球は、センターバックスクリーンめがけて、まっすぐに伸びていった。