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甲子園で球数制限しない理由は無い!
天才と2番手投手の双方に利点アリ。

posted2018/08/27 08:00

 
甲子園で球数制限しない理由は無い!天才と2番手投手の双方に利点アリ。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

決勝戦の5回裏。マウンドからベンチに戻ってきた吉田輝星。次の6回には、打川和輝にマウンドを譲った。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Hideki Sugiyama

 先日幕を閉じた甲子園大会は、総じて前評判の高かった選手が予測通りの結果を出した大会だった。100回大会を記念する甲子園球場には、連日のように4万人の観客が押し寄せ、過去最高の観客動員数も記録し、大会そのものは成功裏に終わったと思う。

 開催前には外野席の有料化、バックネット裏の中央特別指定席の値上げなど、観客動員への悪影響を危惧する声も聞かれたが、ひとまずそういう声は封じ込められたと言っていいだろう。

 今大会で最も注目を集めたのは勿論、吉田輝星(金足農・投手)だ。

 彼の話題は野球だけにとどまらず、一般的には“非日常”だった農業高校の活動までテレビなど多くのメディアで取材され、優勝校の大阪桐蔭以上に国民的な支持を得たと思う。その吉田が今大会では6試合に登板し、投げた球数は881球である。

 2006年・斎藤佑樹(早稲田実)の948球に次ぐ、史上2番目に多い球数となった。

高校野球に早く球数制限を!

 この球数問題。投球フォームが良い(合理的な)投手はたくさん投げても故障のリスクが小さいというのは事実なのだが、メジャーリーグでは無制限な投げ込みそのものに「悪(選手への虐待)」の烙印を押すことになっている。メジャーでは、1試合100球ほどの球数になったらリリーフを送るのが一般的だ。

 このメジャー式の考え方が日本球界にも浸透してきたため、「吉田を潰す気か!」という意見が多数見られるようになった。だが、そんな声に対して「高校野球の全員がプロに進むわけではないので、一部のエリートを守るために球数制限するのはおかしい」という意見もあったという。

 学校、チーム(もしくは監督)の名誉のために1人のエースが尋常でない球数を投げさせられるのはどう考えてもおかしいので、高野連には是非とも投手の球数をルールで制限していただきたいものである。

【次ページ】 首都大学Lの球数制限を参考に。

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