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デブライネ離脱も絶好調のマンC。
ただしペップも白旗の懸案が2つ。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2018/08/25 09:00
ロシアW杯でも大活躍したデブライネが長期離脱。分厚い選手層と緻密なスタイルのマンチェスター・シティだが、不安要素となるのか。
CBのストーンズをコンバートか。
昨シーズンはギュンドガン、ファビアン・デルフを起用したケースもあったが、攻守ともにフェルナンジーニョほど貢献はできなかった。ギュンドガンは持続性と連動性を欠き、デルフは相変わらず怪我が多い。
そこでグアルディオラ監督は、ジョン・ストーンズのコンバートを検討しているという。
練習などでは好感触、との情報も伝わってきた。しかし、イングランド代表のCBは基本的に球離れが悪く、自陣深めからでも無謀なドリブル、ビルドアップを試みる悪癖が治っていない。果たして、アンカーとしてフェルナンジーニョの領域に迫れるのだろうか。
最大の懸案はブラボが離脱したGK。
そして、最大の懸案はGKである。
今シーズンはエデルソン、クラウディオ・ブラボ、ダニエル・グリムショーの3人体制で臨む予定だった。ジョー・ハートがバーンリーに、アンガス・ガンがノリッジに、アロ・ムリッチがオランダのNACブレダにそれぞれレンタル移籍したのは、至極当然の人事である。
ところが、20日の練習中にブラボがアキレス腱を断裂。今シーズン中の復帰は絶望的という、最悪の事態に見舞われた。
GKの2人体制は間違いなく人員不足だ。
エデルソンの控えが無名のグリムショーでは心もとない。ケガによる長期離脱を恐れたエデルソンが躊躇し、昨シーズンのようには大胆に振る舞えなくなる。
だからこそシティ上層部はやむを得ず、ムリッチをNACから呼び戻したのだろう。プレミアリーグの移籍市場は8月9日にクローズしていたことを踏まえると、緊急事態とはいえ選択肢には限りがあった。シティの対応にミスはない。