甲子園の風BACK NUMBER
100回目の夏、56校すべてを観戦。
ブラバン応援ベスト10を発表!
posted2018/08/22 17:00
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
大阪桐蔭が2度目の春夏連覇という偉業を成し遂げ、夏の終わりを告げた100回目の甲子園。今夏も全出場校56校をアルプススタンドで観戦し、多くの名勝負と名演奏を堪能してきました。
コンクールとの両立で、苦労しながらスケジュールを調整して駆けつけた吹奏楽部の熱い応援に後押しされ、“音楽の力”で試合展開が変わる場面も目の当たりに。
どの応援も素晴らしいものばかりでしたが、特に印象に残った応援を紹介したいと思います。
10位 報徳学園『アゲアゲホイホイ』(『サンバ・デ・ジャネイロ』)
『ハイヤハイヤハイ!』『アゲアゲホイホイ!』などとコールをする、『サンバ・デ・ジャネイロ』の『アゲアゲホイホイ』バージョンが、昨年に続き大流行中だが、この応援を考案した元祖が報徳だ。
アルプススタンドで野球部の控え部員に「他の学校のアゲアゲホイホイを見てどう思うか」と聞いたところ、「やっぱり僕たちが一番! 元祖の誇りとプライドを持って応援します」と力強く話し、勢いのあるコールとキレのある踊りを披露した。
9位 藤蔭『年下の男の子』
突然キャンディーズが流れてきて、「これはただ事ではない」と藤蔭アルプスに走った。
『サウスポー』や『狙いうち』などの定番応援曲以外で、昔の歌謡曲を伝統的に使い続ける学校は時々あるので、最初は「この曲も'70年代から使い続けているのだろうか」と思っていた。ところが、野球部の控え部員に話を聞いたところ、なんと「今年の新曲」だというではないか!
2年生の朝倉康平選手の応援曲で、「あいつは俺たちよりも年下なので」と3年生が選曲。なぜ自分たちが生まれる前の曲を知っているのか聞くと、高校生に人気の動画ソーシャルアプリの「TikTok」でみつけたという。
今どきの応援曲は、YouTubeでみつけたりツイッター経由で拡散されることが多いが、新たな潮流が現れたと感じた。