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中澤、闘莉王と比較され続けるDF
吉田麻也「同率1位は納得できない」
posted2018/08/20 11:00
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Takuya Sugiyama
史上最高の○○は誰か?
サッカーに限らず、スポーツファンはこの種の議論が大好きだ。
史上最高のピッチャーは?
史上最高のゴルファーは?
史上最強のボクサーは?
異なる時代に活躍したアスリートを比べること自体に無理があるとはわかっていても、ついつい比較してしまう。居酒屋でのトークは盛り上がるし、テレビの『○○総選挙』も、あーだこーだ言いながら1位の発表が気になっちゃう。
吉田麻也が「その影と競う」2人。
当事者であるアスリートにとっては、迷惑千万な話だろう。
「日本サッカー史上最高のセンターバックは誰か?」
このお題とともに、吉田麻也は、もう何年も中澤佑二、田中マルクス闘莉王の2人と比べられ続けてきた。南アフリカW杯で日本をベスト16に導いた2人が、偉大な先輩であることは吉田自身が誰よりも認識している。
ただし、南アフリカW杯を境に日本代表から離れた2人と、南アフリカW杯後から代表に定着した自分とでは、比較のしようがない。だから、「ずっと見えない影と競っているような感覚でした」。
それでも、インタビュー取材では必ずと言っていいほど、2人の先輩についての質問を受ける。そんなときは、こう答えるようになった。
「日本ではクラブでの実績よりも、代表での活躍のほうが評価される傾向にあると思います。僕は、まだ代表で結果を残していない。だからこそ、日本サッカー史上初めてW杯でベスト8に進んだセンターバックになりたいんです」