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イニエスタ不在が際立つバルサ。
希望の灯は19歳の超新星プッチか。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byGetty Images
posted2018/08/18 11:30
マイナーチェンジはあれど、バルサを支えるのは試合を掌握する中盤のはずだ。プッチは偉大な先達に続けるか。
新加入アルトゥールはまだ連係が。
とりわけテクニックとスピードを兼備し、左右のウイングをこなせるマウコムは、先発でも途中出場でも絶妙なアクセントをチームにもたらしてくれそうだ。因縁の生まれたローマとの一戦(ICC)で移籍後初ゴールを挙げ、ガンペール杯では先制ゴールと得点力も水準以上。
この強力なライバルの出現に、好不調の波が激しかったウスマン・デンベレも目の色を変え、スーペルコパでは決勝点となる弾丸ミドルを突き刺すなど2年目の飛躍を予感させている。
悩ましいのは中盤の構成だ。
スーペルコパとガンペール杯で、バルベルデ監督はいずれも4-3-3を採用した。
まずスーペルコパでは、アンカーのブスケッツの前に、グレミオから加わった22歳のMFアルトゥールと、インテルからレンタルバックのラフィーニャを並べている。ただ残念ながら、両者ともほぼノーインパクト。トッテナムとのプレシーズン初戦(ICC)でいきなり鮮烈な一撃を叩き込んだアルトゥールだが、メンバーががらりと変わったこともあって、連係面の課題が浮き彫りとなった。
ボールコントロールの技術は確かとはいえ、イニエスタから受け継いだ背番号8に相応しいプレーヤーになるには、まだ時間が必要だろう。
コウチーニョとビダルの役割は?
ガンペール杯の中盤は、アンカーにラキティッチ、そしてインサイドハーフはフィリペ・コウチーニョと、バイエルンから新加入のアルトゥーロ・ビダルのセットだった。
コウチーニョの場合、個の能力でマーカーを剥がせるので、この位置からでも決定機に絡めるが、やはり最適なポジションは左サイドだろう。十八番であるカットインからのミドルシュートは、もはやチームに欠かせない武器だ。
一方、ビダルに与えられたミッションは、中国へとレンタルで舞い戻ったパウリーニョが担っていた役割、すなわち2列目からの飛び出しで縦への推進力をもたらし、なおかつゴールに絡む仕事だ。
しかし、実質のバルサ・デビューとなったボカ戦(スーペルコパはわずか5分ほどの出場)では、持ち前のフィジカルを活かしたディフェンスや大きなサイドチェンジこそ披露したものの、崩し/フィニッシュの局面において期待された働きはできなかった。