ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
栗山監督が甲子園で過ごした夏休み。
「原点」を見つめて、いざ終盤戦へ。
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2018/08/17 11:15
栗山監督が目に焼き付けた夏の甲子園100回大会。日本ハムは、8月15日現在、首位西武に5ゲーム差の2位で、残りは約40試合。
「いい夏休みになりました」
本題へ戻す。栗山監督は1度も席を外すことなく、じっと第1試合をすべて見届けた。試合が終了すると、混乱を避けるために大会関係者らが早々に退場できるように準備をしてくれていた。
栗山監督はグラウンドに背を向けることなく、しばしたたずんでいた。大阪桐蔭が勝利。直立すると帰路を急がず、歩みを止めた。「校歌、聞いていこうよ」。最後の最後まで耳を傾け、甲子園へ一礼した。そして、この日のメーンの任務だった「熱闘甲子園」の収録へと臨んだのである。
朝日放送本社では、旧知のスタッフの方々と再会した。互いの近況報告に花を咲かせ、長島三奈さんとは「あうんの呼吸」で復活を果たした。つかの間のオフの1日を利用した、栗山監督と同行した私たちの「熱闘」もフィナーレである。最高の有終の美である。
朝日放送本社から伊丹空港までの車中。同行した番組関係者に、栗山監督は感謝の思いを伝えていた。
「いい夏休みになりました。ありがとうございました」
魂を揺さぶられ、エネルギーを充電して、原点回帰をして空路、北海道へ――。
もう接することができなくなった高校球児からバトンを受け取った。今シーズンのクライマックス、集大成へ向けて再スタートするのである。