プロ野球亭日乗BACK NUMBER
内海哲也は何を取り戻したのか。
ストレート比率が増えて復活の3勝。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/07/21 09:00
二桁勝利は2013年の13勝を最後に遠ざかっている内海哲也。後半戦G投の牽引役を担いたい。
高橋由伸監督も逆転の野望を?
若い頃から、150キロを超える真っ直ぐでグイグイと押しまくる投手ではない。どちらかと言えば技巧派左腕という呼称がピッタリの投手なのは、誰も異論はないだろう。それでもピッチングの基本はストレートにある。ピッチングバイブルの最初のページに必ず記される言葉通りに、この技巧派左腕を復活させた様々な理由の1つにも真っ直ぐへの自信と信頼があった。
「粘り強く投げることが僕のスタイルなので、それが試合で強く出せたと思います。何より試合に勝てたのが嬉しい」
この内海の白星から阪神をスイープして、混戦の2位争いから頭ひとつ抜け出した後半戦開幕シリーズ。
「内海は粘り強く彼の持ち味を発揮したピッチングを見せてくれた」
こう評したのは高橋由伸監督だ。
まだまだ首位広島の背中は遠い。それでも投手陣のリーダーでもあるベテラン・内海の復活は、3人目の監督に逆転の野望を抱かせるのかもしれない。