ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
三上朋也はDeNAの「長男坊」だ。
出しゃばらないのになぜか目立つ男。
posted2018/07/22 09:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
その男は、気がつくとブルペン陣の輪の中心にいる。本人の口ぐせは「自分はあまり目立ちたくはない」だが、その存在感はハマのクローザー山崎康晃いわく「長男坊ですね」という。
プロ5年目、セットアッパー三上朋也。
選手会長という立場もあるが投手陣の決起集会で音頭をとり、コーチと選手の間に入り架け橋となり、そして登板機会が多く苦しい状況にあるブルペンを明るくする雰囲気作りをする。まさに投手陣の精神的支柱といっていい。
「まあ、あまり自分としてはそこまで考えていないんですけどね」と、三上は飄々とした風情で語る。
「ただ、うちは若い選手が多いし年齢的(29歳)に上になるので、皆がやりやすいようにと考えてはいます。とはいえ、自立した選手ばかりですから、特に何か大変というわけではありませんよ」
あくまで出しゃばらず、どこまでも謙虚。そういった性格ゆえに、セットアッパーという立場は心地いい。ここが自分の場所だと思える。
球速も上がり、バランスがよくなった。
今季はこれまで36試合(データは7月19日現在)に登板し、防御率3.27、14ホールド。よい時と悪い時が極端に分かれることもあるが、その務めを十分に果たしている。昨年までサイドスロー、スリークォーターを組み合わせて三上は投球を行っていたが、今季はほとんどがオーバースロー。MAX153キロのストレートなど、平均球速をアップさせている。
「スピードというのはひとつのバロメーターではあるのですが、それよりも今季はバランスがいいなと思える登板が多く、それが調子のよさに繋がっていると思います」
三上はバランスのよさを強調した。