マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
大船渡・佐々木朗希は本当にダルだ。
足も肩も振りも、全てがそっくり。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2018/07/13 07:00
最速154kmというストレートに長身……佐々木朗希はダルビッシュを想起させる。
高校野球のあまりにも広いレベル。
この日、大船渡高・佐々木朗希が投げあった盛岡三高・西舘洸希(3年・186cm85kg・右投右打)だって、好調時には145キロ前後をマークしたことのある県下屈指の本格派右腕なのだ。
2人の投げ合いを見ながら、フッと思ったことがある。
さきほどの「第2試合」も高校野球なら、この「第3試合」も高校野球。
試合の内容には少なからぬ開きがあっても、どちらも同じ時代に生まれた、同じ世代の高校生が奮闘した高校野球。そして大阪桐蔭高の野球も、同じ「高校野球」なのだ。
いったい、どのレベルの野球が本来の高校野球なのか。
もしかして、日本の高校野球は上手くなり過ぎてしまったのではないか……。
まだできることよりできないことのほうが多いはずの10代の少年たちが、野球のような非常に高度なルールと技術を必要とするスポーツに取り組んでいるのだから、もしかしたら、今日の「第2試合」のような野球が本来の高校野球なのではないか。
私たちは、ひょっとして、「甲子園」ばかりを見過ぎてしまったのではないか。
明日はもう1日、岩手の高校野球を見て、そこまでは決めているのだが、始まったばかりの“予選旅”、その先はまだ何も決めていない。