“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
酒井宏樹が右SBを天職にした理由。
縦の信頼関係と謙虚さ、獰猛さ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/07/02 18:00
柏の下部組織時代からサイドバックとして育成された酒井宏樹。ベルギー戦ではマッチアップが予想されるアザールを止められるか。
偉大な選手の周りを走って活きる。
「常に偉大な選手がそばにいて、僕はその周りを走っているだけの選手。でも、僕はそれが嫌だったわけではなくて、そういう偉大な選手が、自分にどこにいてほしくて、どんなプレーをしてほしいのかと常に考えながらプレーしてきたので。
例えば柏U-18の時は、(仙石)廉はどこにでもパスを出せる選手でした。じゃあ僕はどこに走ればいいのか、と常に考えて、廉に合わせて走り方もかなり工夫したんです。
トップチームの時は、レアンドロという何でもできる選手がいたので、どこにどのタイミングで彼の視野に入れば、良い連係ができるかを常に考えていました。
こういう考え方は、どのチームでも変わらない僕の適応方法でもありますね」
右サイドハーフの原口元気の動き、そして逆サイドの乾貴士とトップ下の香川真司を見ながらサイドのスペースを狙い、ボランチの柴崎岳、CB昌子源からのパスを引き出す――ベルギー戦でこの動きが見えたとき、日本は大きなチャンスを掴み、ベスト8進出という新たな歴史を刻む可能性を高める。
ベルギー戦では味方には謙虚で優しく、相手には闘争心をむき出しにする右サイドのスペシャリスト・酒井宏樹に注目だ――。