“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
“黄金時代”の隣に“暗黒時代”はある。
プロ野球球団、新陳代謝の難しさ。
posted2018/06/22 16:30
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
今年の3月6日、文化放送のラジオ番組に出演した時のことだ。
今年のパ・リーグの順位予想を「1位西武、2位日本ハム、3位ソフトバンク」として、友人から「(ソフトバンク3位は)随分思い切ったね」と言われた。
ソフトバンクは2008年以降の10年間で優勝5回、日本シリーズ優勝4回を記録している最強球団。2016年には筑後市に球界ナンバーワンのファーム施設を作り、育成枠出身の千賀滉大、甲斐拓也、石川柊太を一軍に輩出している。
どこから見てもこれ以上の球団はないという意見に異論はないのだが、野手にベテランが多すぎる、という一点にこだわり予想順位を下げたのだ。
シーズン前のソフトバンクにおけるレギュラー候補と、私が理想とする1990年の西武の陣容を表に紹介してみたので、確認してみて欲しい。
■シーズン前の予想陣容
捕手 甲斐拓也 26歳
一塁手 内川聖一 36歳
二塁手 本多雄一 34歳
三塁手 松田宣浩 35歳
遊撃手 今宮健太 27歳
外野手 中村 晃 29歳
柳田悠岐 30歳
上林誠知 23歳
指名打者 デスパイネ 32歳
■1990年、西武の陣容
捕手 伊東 勤 28歳
一塁手 清原和博 23歳
二塁手 辻 発彦 32歳
三塁手 石毛宏典 34歳
遊撃手 田辺徳雄 24歳
外野手 笘篠誠治 26歳
秋山幸二 28歳
平野 謙 35歳
指名打者 デストラーデ 28歳
ベテラン(30歳以上)・中堅(26~29歳)・若手(25歳以下)の比率は……。
ソフトバンクが「ベテラン5人、中堅3人、若手1人」。
'90年の西武が「ベテラン3人、中堅4人、若手2人」。
当然ながら西武のほうが若い。さらにソフトバンクの中堅・若手が脇役なのに対して、'90年の西武の若手・中堅、つまり秋山、清原、伊東はチームのど真ん中にいた選手。現在のソフトバンク打線とくらべてもやはり'90年の西武のほうに魅力を感じてしまう。