“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
“黄金時代”の隣に“暗黒時代”はある。
プロ野球球団、新陳代謝の難しさ。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2018/06/22 16:30
ベンチ内で難しい表情の工藤公康監督とチーム首脳陣。チームの新陳代謝をどこまで意識しているだろうか……。
日本一になった昨年も……何かが引っかかった。
現在のソフトバンクを見ると高齢化が進む野手が危機的状況を迎えているのに、ドラフトでその手当をしていないような気がする。
統一ドラフトになった2008年以降の10年間で、野手を1位指名したのは今宮健太、山下斐紹の2人だけだ。捕手の山下は昨年までの7年間で37試合出場、12安打に留まり、今季楽天に移籍してしまった。
日本一になった昨年を見ていても、なんとなくうまくいっていない印象がつきまとったのだが、内川、松田が衰えてもまだ柳田がいるし、若手の上林も成長しているから大丈夫かとも考えていた。
だからこそ、彼らがいる間に将来のホークスの柱になる野手をドラフト上位で指名して、最高のファーム施設で育成し、せめて「7割の完成」くらいで一軍に上げてほしい。
暗黒期を迎えてしまう前に……まだそのくらいの猶予期間はあると思う。