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8年前、川島永嗣は合宿で正GKに。
では東口順昭は川島を越えられるか。
posted2018/06/08 11:30
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
平均年齢の高さや、顔ぶれの変化のなさが取りざたされる西野ジャパン。もちろん、既存の選手たちを脅かす若手がいなかったからこうした23人に落ち着いているのだろうが、それでも“誰それを入れておいた方が良かったのではないか”などと、フィールドの選手に関しては活発な議論の対象となった。
だが、あまり議論されずに来ているのが、正GKはこのままで良いかという話ではないか。
川島永嗣はもちろん、実績ではナンバーワン。2015-'16シーズンの前半、所属クラブを失った頃は代表から外れたが、それ以外は'10年以来正GKの座をほとんど失っていない。
代表選手が半年も無所属になるというのは異例の事態だったが、正GKとして契約を結ぶクラブを自ら欧州で見つけ出し、そこからフランスリーグに移籍。その現在の所属であるメスでも、当初は第3GKという扱いから正キーパーの座を掴み取った。
年齢的なこともあり決してファーストチョイスではなかった川島の頑張りに「お前がそこまで本気だとは驚いた」と、コーチングスタッフも舌を巻いたのだという。
そんなストーリーの鮮やかさは、他に類を見ない。だが、ガーナ戦の2失点目などを見るに不安がつのるのも事実だ。
南アで川口、楢崎を越えてきた川島。
川島が代表の正GKの座を奪い取ったのは'10年、南アW杯の直前だった。
当時、川口能活、楢崎正剛という共に4度目のW杯を迎えようというレジェンドたちに混じって、川島は代表入り。若く勢いはあるが実績はまだまだ、というところだった。
しかし直前合宿中、グラーツで行われたイングランド戦で川島は先発の機会を得た。
試合には1-2で負けはしたものの、川島自身はPKを止めるなどの好プレーを見せ、一気に世代交代を果たした。
続くコートジボワールとの親善試合でも先発、そして本大会カメルーン戦の活躍へと続くのである。