プロ野球亭日乗BACK NUMBER
大谷翔平は日々アメリカを学習中!
「打たれても打たれなくても経験」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byAP/AFLO
posted2018/05/31 17:30
イニングの間、投球フォームを気にしながら特製のボールでストレッチ。新しい練習法も次々と試している大谷翔平。
雨上がりのグラウンドに現れた……1羽の鳥。
中9日。
これまでと違うスタジアムのマウンド。
そして雨での中断。
そうしたことも含めて、この日の大谷は、本人が語るように、これから先に向かって貴重な経験を積み、様々なメジャー流をインストールできた登板でもあった。
ただせっかくのチャンスを逃してしまったことも、大谷は試合後にこう告白した。
「見てなかったんですよ」
こう振り返ったのは、大谷が降板した2度目の中断明けのある出来事だった。
雨が上がったグラウンドに1羽の鳥が迷い込んで、係員が総出で追い回す事件が勃発した。その後、その鳥は一度はグラウンドから飛び立っていったが、球場のフェンスにぶつかってスタンドの観客席に落下するアクシデントとなってしまった。
幸い、スタンドのファンに保護され、そのことが球場の電光掲示板で知らされると、拍手が巻き起こるという、いかにもメジャーらしい光景が繰り広げられていたのである。
「あのときは裏で着替えて休んでいました。気持ちも切ってゆっくりしていた。(その後の顛末も)ゲーム中だったので、鳥に集中できなかったですけどね」
日々、厳しい勝負の中で勝つことと、メジャーリーガーとして新しい経験を積み上げることで精一杯なのは仕方ないのかもしれない。