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まるで黒澤映画の剣豪対決!
大谷翔平×田中将大、初対決の真実。
posted2018/05/28 13:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Alex Trautwig/MLB Photos via Getty Images
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手とニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手との直接対決が、現地時間5月27日(日本時間同28日)にニューヨークのヤンキースタジアムで実現した。
「4番・指名打者」で先発した大谷は1回の第1打席に空振り三振、するとその後は四球、空振り三振と田中の前に完敗に終わった。先発した田中は6回を投げて3安打8奪三振で今季6勝目。シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手を抜くメジャー通算58勝目をマークした。
地元ファンからの激しいブーイングの背景。
「ルースの建てた家」と呼ばれた旧ヤンキースタジアム。新しく建て直されたとはいえ二刀流の聖地とも言えるヤンキースの本拠地で打者・大谷には地元ファンから激しいブーイングが浴びせられた。
昨オフの争奪戦では最有力と言われながら、最終面談からも外されたヤンキース。逃した魚が今や全米注目の選手となっているだけに、地元ファンの悔しさも倍加される。
25日の初戦の第1打席から続く容赦ないブーイングは、この日はそのまま地元のヒーロー、田中への声援でもあったはずだ。
だが、大谷は淡々と打席に立つ。
「普段と変わらずに1打席、1打席、自分ができる仕事ができればいいかな、という気持ちで打席に入りました」
それが二人の“静かな対決”の幕開けだった。
第1打席は1回2死一塁の場面だった。