セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER

異論承知で言う、MVPはブッフォン!
史上初7連覇ユーベのみが持つ強さ。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2018/05/16 11:30

異論承知で言う、MVPはブッフォン!史上初7連覇ユーベのみが持つ強さ。<Number Web> photograph by Getty Images

'01年からユーベに在籍しているブッフォン(中央)。9度のセリエA優勝と共に、スクデット剥奪、2部降格も味わっている。

CLレアル戦後は審判を罵っていた。

 生き馬の目を抜くプロの世界、シーズンの趨勢を左右する大勝負で喫した敗戦。その直後、鍔迫り合いをしていた相手を称賛する、といったことは、綺麗事ではわかっていても現実にはそうそうできない。

 するとブッフォンは聖人君子か。否、ユベントスの主将はレアル・マドリーとのCL準々決勝で試合終了間際のPKと自らへの退場宣告を与えた、7歳年下のオリバー主審を口汚く罵った。

「もっと経験豊富な審判ならあの場面は流して延長戦を戦わせてくれたはず。オリバーはこの晴れ舞台で(劇的なジャッジをすることで)主役になろうとした。あいつは人間じゃない、ケダモノだ。ヒトとしての情けがあるべきところにゴミ箱があるクズ野郎だ。このレベルの試合を裁く能力がないのなら、スタンドで大人しく家族とポテトチップスでも食ってろ!」

 ブッフォンの言葉は欧州社会の一般常識に照らせば公の場での侮蔑や暴言であり、一般ファンや子供たちへの影響を危惧した関係者やファンの間で物議を醸した。

 後日になっても発言の撤回も謝罪もせず、当人は正当性を主張。UEFAからブッフォンへの最終処分はまだ出ていない。

汚名をかぶろうがタイトルに貪欲。

 彼ほどの人物が世間的に“正しい”とされる言葉遣いや立ち居振る舞いを知らなかったはずがない。しかし、ブッフォンのCLへの執着心は欧州の頂点に挑む可能性を奪った、未熟なレフェリーを許せなかった。自らの華々しいキャリアに傷がつこうが汚名をかぶろうが、不惑に達したブッフォンは今なおタイトルへ誰より貪欲だった。

 ナポリ・ショックから6日後、サン・シーロでの35節インテル戦、86分。

 ユベントスは剣ヶ峰に立っていた。

 前半早々に退場者を出し、数的不利にあるはずのインテルに圧倒される。1-2の劣勢のまま、試合終了まで残り数分足らずのところまで追い詰められていた。

 しかし、そこからFWクアドラドと途中出場のFWディバラの活躍で同点に追いつくと、土壇場の89分にディバラのFKをイグアインが頭で決め、3-2で起死回生の大逆転勝ちを収めた。

 わずか3分間で、カンピオナートの天国と地獄は入れ替わった。

【次ページ】 心をへし折られたナポリの敗戦。

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
ユベントス
ジャンルイジ・ブッフォン
マッシミリアーノ・アッレグリ

海外サッカーの前後のコラム

ページトップ