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「インドアもビーチも同じバレー」
元全日本エース越川優を変えた言葉。
posted2018/05/08 11:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Makoto Baba
「負けは負けなので……。結果を受け止めるだけです。アジア競技大会出場のチャンスはなくなりましたけど、すべてのチャンスが消えたわけじゃない。まだまだ、やらなければいけないことはたくさんあるので、その課題をひとつずつクリアしていくしかないですね」
4月28日、東京・大森東水辺スポーツ広場にて開催されたビーチバレーボールJVAカップ、アジア競技大会日本代表チーム選考大会。2戦目で、同じく昨シーズンからビーチに転向した石島雄介(トヨタ自動車)と高橋巧(了徳寺大学)ペアに0対2で敗れた越川優(横浜メディカルグループ)は試合後、記者に囲まれて語った。
「収穫がない試合というのは、今の僕にはありません。砂が変わったり、そういった環境の変化の中で、どれだけ自分のプレーができるかがビーチバレーの特徴です。こういう砂のときのプレーの仕方はわかったので、この経験は今後につながると思います」
大田のコート特有の柔らかく、体が沈みやすい砂に足を取られ、スパイク、レシーブともに精彩を欠いた。
「でもやっぱり悔しいですよ」
「来週からもう海外でツアーがあるので、今日の試合で出た課題を修正しなければいけません」と前を向いたが、ポロリと本音がこぼれる。
「まぁ、でもやっぱり悔しいですよ」
笑顔は見せたものの、口調は厳しかった。
昨シーズン、インドアからビーチバレーに転向し、2シーズン目を迎える越川には今年、大きな変化があった。昨年度の長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)と離れ、新たに西村晃一(WINDS)とペアを組んだことである。
西村晃一は2002年にインドアからビーチへと進出した、いわば転向組の先駆者だ。インドア時代には全日本で活躍し、ビーチ転向後の2006年には日本代表としてドーハのアジア大会にも出場している。年齢は今年、45歳。越川が高校を卒業し、サントリーサンバーズに入団した前年にビーチバレーへと転向している大ベテランだ。