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「最近、ゴリゴリ系意識して(笑)」
遠藤航がボランチで見せる新境地。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2018/05/08 11:30

「最近、ゴリゴリ系意識して(笑)」遠藤航がボランチで見せる新境地。<Number Web> photograph by Getty Images

攻守ともに逞しさを感じさせる遠藤航。ロシアW杯メンバー入りも含めて、中断前のJリーグで必見の1人だ。

後半途中に最終ラインからボランチへ。

 連戦の影響で動けないところにハードな守備を受ける。川崎はどうしてもミスが増え、横に逃げがちになる。エウシーニョも仕掛けるというよりもパスが多く、ネットは自分の感情をうまくコントロールできていないようだった。川崎は打開のために大久保嘉人、齋藤学を投入したが、なかなかチャンスが作れないままだった。

 一方、オリベイラ監督は後半20分に柏木を下げ、岩波拓也を投入した。ここで、あるポジションチェンジがあった。

 岩波が右センターバックに入り、遠藤はインサイドハーフの位置に移ったのだ。遠藤はもともとボランチで、持ち味の縦パスでリオ五輪代表、浦和でチャンスを作ってきた。ただ、この日、目立ったのは、2人に囲まれても体を張ってボールキープして前に運ぶプレーだった。

粘ってタメてボールを出せるように。

 今までの遠藤のプレーにはあまり見られなかったスタイルだ。

「最近、ゴリゴリ系意識しているんですよ(笑)。自分の良さは、早くワンタッチで前にパスをつけるだけだと、中盤の選手としては物足りない。いかにプレッシャーがきても粘って、粘ってタメて出せるか。うまく(相手マーカーを)剥がせれば、すごく大きいなって思っているので。シンプルにやるところと1人で運ぶところを意識して使い分けています」

 遠藤は以前から、自分が生きていくべきポジションはボランチと考えていた。センターバックで勝負したい気持ちがある一方で、サイズ面で世界相手に厳しい戦いを強いられる。だが、ボランチではリオ五輪で十分にやれるところを見せ、今はさらに質を高めようとしている。

 もともと守備力があるだけに、攻撃面での引き出しが増えれば、指揮官も中盤での起用を念頭に入れるだろう。

【次ページ】 「代表は目標なので、やれることを」

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