「代表は目標なので、やれることを」

　試合は2－0と浦和がリードした後、川崎GKチョン・ソンリョンが退場。10人になった川崎が交代枠をすでに使いきっていたため、DF奈良竜樹が急造GKを務める事態となった。しかし浦和は逆に押し込まれる展開になった。

「10人になってからの戦い方は課題が残ったと思います。でも、2－0で勝っていたし、守備のブロックを敷いてカウンターを狙っていました。何回かチャンスがあってそこできまっていれば試合が決まっていたんですけど、まぁ奈良もいいセーブしていました（笑）」

　リオ五輪世代の奈良の奮闘ぶりに触れつつも、最後までしっかりゼロに抑えて勝つことができたことこそが、何よりの収穫だ。

「連敗していたのでチームとして勝ててよかったし、監督も初勝利ですしよかった。次は、鹿島なんで監督の思い入れのあるチーム。切り替えて、連勝したいですね」

　遠藤は、笑顔でそう言った。

　3日後、残念ながら鹿島戦は0－1で惜敗したが、チームの流れは決して悪くないし、遠藤自身もこのまま個人として調子を上げていけば代表も見えてくる。

「代表はいつも目標なので、やれることをやって選ばれればいいかなと」

　言葉は控えめだが、リオ五輪の主将である。「次はW杯で」とリオの舞台後、仲間と誓い合った。

　浦和とともに右肩上がりに調子を上げていけば、西野朗日本代表監督を悩ませる存在になるのは間違いない。