ぶら野球BACK NUMBER
野球好きなら絶対に栃木に行くべし!
村田修一の元気プレーを観戦する幸福。
posted2018/04/29 11:30
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
「俺はもう28だ。背伸びなしで30が見えてくる。30は男が動かなくなる理由になる」
現在TVドラマも放送されている、文具メーカー営業マンを描いた名作漫画『宮本から君へ』の台詞である。
気が付けば自分も30代後半に差し掛かり、最近この言葉を思い出すことが多くなった。とにかくあらゆる職業の忙しさは30~40代がピークだろう。社会人としてそれなりの経験をして責任も背負い、まだ多少の身体の無理もきく。ただ、それと比例してプライベートの時間が取れなくなってくる。
大げさではなく、昨年のプロ野球死亡遊戯は日本の野球ライターで最も多い連載数を回していたと思う。
寝て起きて書きまくって、原稿が終わったらまた数時間後には次の締切が待っている……。
あぁたまにはのんびりひとり旅にでも行きたいなぁ。
そんな日常の唯一の息抜きはもちろん個室ヨガ……じゃなくて、本連載『ぶら野球』だった。
昨シーズンは8カ月にわたり春季キャンプ地の沖縄から、鹿児島、熊本、仙台、福島、山形、岐阜、大阪、松本、前橋、最後は日本シリーズの横浜まで日本中の球場を訪れた。それでも日本全国まだ行っていない球場は多くある。よし、今年もぶらりと野球と美味い飯の旅へ行くとしようか。
今シーズン最初の旅は電車に乗って栃木へ。
2018年、いわば『ぶら野球~シーズン2』の最初の行き先は栃木である。
なぜって、もちろんルートインBCリーグ所属の栃木ゴールデンブレーブスの本拠地を訪ねるためだ。
昨オフ、巨人を自由契約となった村田修一は、奥さんの出身地でもある栃木の独立リーグチームから再びNPB復帰を目指すことになった。
実は3月下旬に『週刊プレイボーイ』のインタビュー企画で小山運動公園野球場の村田さんを訪ねていた。その時は取材チームの車に同乗したが、今度はひとりで背番号25の応援に来ようと思ったのである。
地元開幕戦となる4月8日の日曜日、俺はJR東北本線に乗って現地へ向かった。