ぶら野球BACK NUMBER
野球好きなら絶対に栃木に行くべし!
村田修一の元気プレーを観戦する幸福。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2018/04/29 11:30
うららかな春の日差しが眩しい小山運動公園野球場までの道を歩む……歩む……歩む……迷ったかなぁ。
高校野球よりドライで、NPBより身近な雰囲気。
スタンドの雰囲気は高校野球よりドライで、NPBより身近だ。
すべてのプレーに全力で盛り上がるというより、ユルく野球を楽しむ感じ。いたるところに所属選手の知り合いらしきグループの姿も見える。
第2打席で村田さんが代名詞とも言える6-4-3の芸術的ゲッツーを打った際は球場がドッと沸いた。思わず、インタビューで「NPBでゲッツーを打つのもここでゲッツーを打つのも同じだと思います。ゲッツーはゲッツーですから(笑)」となんだかよく分からない宣言をかます村田さんを思い出して拍手を送る。
確かに村田修一は栃木で野球を続けていたのだ。
その決断を色々揶揄する人もいるかもしれない。都落ちと取る向きもあるだろう。だったら、一度この場所へ来てみたらいい。よく晴れた空の真下、野球を楽しむ老若男女が、渋滞を引き起こすほど村田という野球選手を歓迎している風景をその目で見たらいい。
目の前で村田さんが「神対応」を!
3月の取材時、忘れられない風景を目撃した。
インタビュー後の村田さんが球場の外で即席のサイン会を開いたのである。
1人ずつ丁寧にファンとの握手や写真撮影にも応じる神対応。これを巨人時代にジャイアンツ球場でやったら数時間はかかってしまうだろう。大学生風の男子が「やべーよ、本物の村田だよ。握手しながら手が震えた」と感動していた。そして、列の最後のお爺ちゃんに「歳に負けず頑張れ」なんてエールを送られると、村田さんは嬉しそうに握手をして、こう笑ったのである。
「大丈夫、お爺ちゃんに比べたら全然若いから。ダッハッハッ」
5月11日からは小山運動公園野球場で巨人三軍との3連戦がある。
また栃木へ来よう。
村田さんに会いに。