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シャルケvs.ドルトは“ビール劇場”。
ダービーの一体感と麦芽に酔う!

posted2018/04/27 07:00

 
シャルケvs.ドルトは“ビール劇場”。ダービーの一体感と麦芽に酔う!<Number Web> photograph by Getty Images

試合後にはシャルケのテデスコ監督(中央)がマイクを持ち、ファンとともに声を挙げる場面も。

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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 ゲルゼンキルヘンでの“レビアダービー”に行ってみたかったのです。

 ドイツ西部のノルトライン・ベストファーレン州の中心、ルール地方に本拠を置くシャルケとドルトムントの一戦。レビアとは「地域の」という意味で、シャルケのあるゲルゼンキルヘンとドルトムントは直線距離で約20キロしか離れていません。

 ちなみに日本にも様々なダービーマッチがありますが、なかでも、さいたま市に本拠を置く浦和レッズと大宮アルディージャの本拠地間の距離は約7キロ! こちらもれっきとした日本のレビアダービーと言えるでしょう。

 以前、ドルトムントのホーム、シグナル・イドゥナ・パルクで行なわれたレビアダービーは観戦したことがありました。香川真司選手は所属していませんでした。ユルゲン・クロップ監督(現リバプール監督)就任1年目、2008-09シーズンのことです。

 そのときに観た、断崖絶壁のようなスタンドから降り注ぐドルトムントサポーターの熱く分厚いコールは、今でも忘れられません。また、スタンドの一角に陣取った青い集団、シャルケサポーターの献身的な応援も目に焼き付いていました。

これまでの戦績はほぼ五分のライバル。

 試合は、アウェーのシャルケが3点のリードを奪いながら、後半にドルトムントが追いつくという壮絶なドロー。それでもシャルケサポーターは試合後に万雷の拍手を選手たちへ浴びせ、悠然とゲルゼンキルヘンへ帰還したのでした。

 ブンデスリーガにおけるレビアダービーの戦績は、シャルケの30勝29分32敗。前回、昨年11月25日の第13節ではドルトムントが前半に4点をリードしながら、後半シャルケが4ゴールの猛ラッシュでドローに持ち込むという、10年前と同じようなゲームが展開されました。

 そして今回、第30節は勝点52の2位シャルケと、勝点51の3位ドルトムントが雌雄を決する大勝負。盛り上がらないはずがありません。

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