ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
シャルケvs.ドルトは“ビール劇場”。
ダービーの一体感と麦芽に酔う!
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2018/04/27 07:00
試合後にはシャルケのテデスコ監督(中央)がマイクを持ち、ファンとともに声を挙げる場面も。
32歳テデスコ監督率いるシャルケが勝利。
試合は両者局面での球際勝負が激しく、白熱した展開になりました。それでもペースは若干ホームのシャルケが握り、50分、ドルトムントのDFシュメルツァーからボールを奪ったMFカリギウリがショートカウンターを発動。ペナルティーエリア手前でラストパスを受けたコノプリャンカが、左足でゴール左にボールを突き刺して先制しました。
コノプリャンカといえば、先の日本代表vs.ウクライナ代表戦で、ウクライナの2点目に繋げた圧巻のドリブル突破が印象的だった選手です。
先制されたドルトムントは意気消沈。それでも、サイドライン際に立つドルトムントのシュテーガー監督は腕を組んだまま微動だにしません。チームジャージに白いベースボールキャップという、垢抜けない出で立ち(52歳)。
一方のシャルケ、32歳にして名門シャルケを率いるテデスコ監督は、スリムフィットのグレーのポロシャツを着て颯爽と指示を送っています。両監督の対比も大変印象的です。
82分、シャルケはゴール正面からDFナウドが強烈なFKを突き刺して2点目。試合は2-0で終了し、ホームのシャルケがドルトムントを打ち破りました。
試合後にはゴール裏でリーダーと抱擁。
試合後、普段は冷静沈着なテデスコ監督が選手たちとサポーターが陣取るスタンドの前まで歩み寄ると、シャルケのサポートリーダーが指揮官にスタンドへ上がるように促します。意を決したテデスコ監督が壇上に上がってリーダーと歓喜の抱擁。このときの心境について、テデスコ監督はクラブ公式のツイッターでこのように語っています。
「北側の観客席に登ることができるというのは特権なんだ。本来この試合で称えられるべきなのは選手たち全員だが、しかし、ここで登らなくてはファンたちがとてもがっかりしてしまうような気がしてね」
この一体感こそがまさにレビアダービー。大団円の中、取材を終えた僕は帰路についたのです。