マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
高3・大谷翔平のボールを受けた日。
「超高速変化球投手」という新種。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2018/04/13 07:00
高3の秋、日本ハムに指名された時の大谷翔平。その後4度の入団交渉を経て入団し、彼の伝説が始まった。
145キロのスライダー、スプリットの威力。
4月1日(日本時間2日)、アスレチックス戦でメジャー・マウンドデビューを果たした大谷翔平。
先発の6イニングを投げて、投じた92球のうち、その半分以上がスライダー、スプリット。そんな報道がなされていた。
大谷翔平がアメリカに渡る前、私はこんなことを考えていた。
彼が自分のことを「速球投手」だと思って向こうへ行ったら、痛い目に遭うかもしれないな。だけど、自分を「変化球投手」と解釈してマウンドに上がれば……。
変化球投手・大谷翔平とは、これまでの常識の中にある「変化球投手」とは違う。
ストレートが150キロ台から160キロを超える高速ならば、変化球のスライダー、スプリットもまた145キロ前後。その正体は、ホームベース手前で激しく軌道の“折れる”快速球。
大谷翔平とは、「超高速変化球投手」という、これまでにいなかった新しいカテゴリーの変化球投手ともいえるのだ。
突き抜けたセンスを持った者は、より高いレベルにその身を置いた時ほど、さらに輝きを増す。
さあ、じっくりと、お手並み拝見だ。