スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
上原浩治の制球力はやはり天才的。
ミリ単位の軌道を映像化する異能。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKyodo News
posted2018/04/04 11:30
早くも日本のプロ野球に適応しつつある上原浩治。彼が9回におさまれば、巨人の勝利の方程式は完成度を増すだろう。
クローザーは、勝ち取るもの。
さて、今後気になるのは、高橋由伸監督が、上原を8回のセットアッパーとして起用し続けていくのか、ということである。
上原自身は、「どこでも行きます」と話しているが、クローザーのカミネロには制球力に不安がある。昨季は63回3分の1を投げ、三振65に対し、四球は23を数えた。抑えであることを考えると、三振の数は十分だが、やはり四球の数が多いのが気になる。
メジャーリーグ時代の上原には、毎年ロングインタビューをさせてもらったが、毎年、同じように、
「クローザーというポジションは保障されているわけではないので、勝ち取るつもりでシーズンに入っていきます」
と話していたのが印象深い。
巨人のユニフォームに袖を通し、いつでも9回を任せられるよう、ポジションを取りにいくつもりで、マウンドに立ち続けることだろう。